SST

SSTソーシャルスキルトレーニング スケジュール

(日常生活で起こり得ることへの対応)    

2022年4月~2023年3月

4月 挨拶のスキル

5月 仲間への入り方

6月 ナフキン・お弁当の包み方

7月 文章の組み立て

8月 場面を想像しよう

9月 場面を想像しよう

10月 相手を傷つけない断り方

11月 歩き方・姿勢・音

12月 訪問マナー 家の中での毎日の仕事内容と家族の一員としてできること

1月 エチケットマナー 箸の持ち方・使い方、蝶々結び

2月 お願いの仕方 「友達」とは

3月 約束に遅れてしまった時の声のかけ方 一つの事を深く考えてみよう<テーマ:友達>

<前回あるいは前々回行った内容を必要に応じておさらいします。>


2023.10.31

10月のSSTは、「生涯幸せに過ごすために重要なこと」を題材に深く考えてみました。

トレーニングという意味では少し逸脱かもですが・・・、どうしても考えてもらいたい、伝えたい、のです!


2023.09.01

夏休みのSST、久々にアンガーマネジメントについてみんなで考えてみました。

自分の怒りを「絵」にしたらどんな風になるかなぁ、から出来上がったのが、これらのものです。

それぞれの絵の説明をしてもらえたので、びさいっ子の怒りが見えた気がしました。

※残念ながら、びさいっ子が自ら自分の名前を絵の中央付近に描いてくれたものは除外しました。


2023.08.21

 2023.08.10(土)のSSTです。

 「嘘」について、少し深く考えてみました。

 昔、学校で友達に「暗い性格」だと言われてから、もう一人の明るく振る舞う自分を作り出して

使い分けしている、と教えてくれたびさいっ子がいました。本当に驚きました。


2023.07.25

土曜日のSSTです。

 テーマは「深く考える」です。

 今回は「強・学習はどうしてしなきゃいけないの?」についてみんなで考えてみました。


2023.05.30

5月第4土曜日のSSTです。

今回は“幸せとは何だろうか・・・・”

- 人は何をもって幸せと考えるのか? -

お金持ちと、そうでない人を比較しながら考えました。

また、幸福には一過性のものと“人生の幸福”といえるものがあって、さらに生きる糧といえるほどのおおきな幸福感の中に“人の役に立ち、人に必要とされている実感”があるのではないかとみんなで確認しました。


2023.05.29

5月第2土曜日のSSTです。

勉強や学習を進めるにあたって、多くの子供たちがぶつかる“壁”があります。

「どうして、勉強・学習をしなくちゃいけないんだろう」というものです。

今月は土曜日に新しく加わったびさいっ子のがいるので、まずは、知識(勉強や学習)の重要性をみんなで振り返ってみることにしました。

以前にも似たようなことはやっていますが、繰り返すことって大切ですよね。

今回は、“知識はどのように活かせるだろうか?”をテーマに

- 例えば・・・スポーツ選手は勉強ができなくても一流になれるか ―

を簡単にフリップにまとめ、これを観てもらいながら一緒に考えました。

メジャーリーグで大活躍の大谷選手を引き合いにさせていただき、

・投手としてのトレーニング、バッターとしての筋力

・同じ力でボールを遠くに飛ばしたいなら、その角度は?

・睡眠が身体や脳に与える影響

などを話し合いました。

ここで、前々から特に伝えたかったこととして、寝るべき時間を大切にしなければならない・・・ついつい寝る時間をおろそかにしてしまいがちなびさいっ子がいるようです。レム睡眠とノンレム睡眠のこと、ゴールデンタイムに寝ていないと美容にも大きな影響を与える(女子も参加してくれているので)ことやゲームをやりすぎて学校を遅刻したり休んだり・・・身体や脳のメカニズムを知識として取り入れ、活用しようと強調しました。

ここまでで知識は何をするにも重要だと伝わったように思います。

さて、人に必要とされるために知識は重要なファクターです。次回はそんなことを一緒に考えられたらと思います。


2023.04.03

3.11(土)と3.24(金)のSSTです。

 3.11(土)は前回参加してくれたびさいっ子の一人がお休みでした。また、新たに参加してくれたびさいっ子たちがいます。新たに参加してくれた子たちが戸惑うかも知れないので、前回とは全く違う内容にしてしまおうか迷いました。そこで、今回は、テーマを「一つのことについて、深くふかく考えてみよう」にしてみました。そして深く考える材料を「トモダチ」(友達)にしました。(3.24(金)も同じ内容をみんなで考えました。)

 『真のトモダチ』、『クラスのトモダチ』、『相手や自分にとって都合がいいだけのトモダチ』、『ゲームだけのトモダチ』あるいは『SNSでつなっがっているだけの顔も知らないトモダチ』など、「トモダチ」とは幅広く、ある意味とても便利なことばですが、自分自身の中に誤解を生じさせる危険な言葉でもあるように思えてなりません。

 実際、過去の話ですが、びさいっ子の中に、「一度でも遊んだらトモダチ・・・だからクラスの子は全員トモダチ。顔は知らなくてもゲームを一緒にやった子はトモダチ」と教えてくれた小学校高学年の子がいました。

 まず、『クラスのトモダチ』、『ゲームをするだけのトモダチ』など、これらは本当に「友達」だろうか?と投げかけてみました。10人の内4人の子が手を挙げて「友達だと思う」と教えてくれました。

 他の子は、手を挙げようか迷っている、あるいは確信を持ってそうは思わないといった様子です。

 次に、ほとんどの大人が“まあ、そうかな”と合意してくれるであろう「友達」の定義(?)をフリップにしたものをびさいっ子たちにみてもらながら進めました。

 その中のとくに『わがままを許し合える』、『相手の幸せや悲しみを自分のことのように思える』、『お互いを高めあえる』はびさいっ子たちに強く届いた気がします。

ここで、びさいっ子たちに感想を訊いてみました。最初に手を挙げてくれた4人のびさいっ子は、全員考えが変わったそうです。

 何故、気が変わったのか、そんなに簡単に変えていいのか、とちょっと意地悪な投げかけをしながら、こんどは、ゲームでだけで繋がっている二人の子A君、B君を想定して話を進めました。いつものようにゲームをしている二人ですが、ふと気づくとB君が元気がありません。それに気づいたA君がゲームの手を止めてB君に「どうかしたの?」と声をかけました。その後B君は自分の悩みをA君に打ち明け、A君も自分のことの様に考え、悩み、会話を続けました。いつしかA君も自分の考えや相談事をB君にするようになりました・・・

 さて、この二人は、今「友達」かな?とびさいっ子に訊いてみると、全員”うん、うん”と大きく頷きました。では、どこで『ゲームをするだけのトモダチ』から『友達』に変わったのでしょうか?B君がA君に相談し、その相談にA君が真剣に寄り添ったから?それとも二人は始めから何となく気の合う、ひかれあう「友達(?)」だったのか?

 ここまでで時間がきました。最後に深くふかく考えることの大切さが、少しは伝わったでしょうかと確認させてもらって終了しました。


2023.03.03

 2.25(土)のSSTです。

 2月は第2土曜日が祝日だったので第4土曜日のSSTです。

 かねてから保護者様よりご要望があった「友達」について一緒に考えてみました。

 まず、「知り合い」と「友達」の違い、続いて「知り合い」から「友達」への移行について

びさいっ子たちの考え・感覚を確認しながら始めました。そして「友達」とはいったいどんな

相手のことだろうかをパネルの絵を見ながらクイズ形式で考えや意見を出し合いました。

・「友達」とは【相手の悲しみや喜びを自分のことのように思える】

・「友達」とは【ワガママを許せる(許し合える)】

など、絵から想像したとはいえ、実際に日頃から考えていなければ口にできないと思えるような

考え・発言が多く飛び出しました。

 ここまでで、20分を超えたので、予定に従い終了しました。

 「〇〇とは」は、「友達」のそれに限らず、人それぞれの感じ方や考えに異なる部分があるで

しょう。でも多くの人が理解し得る「〇〇とは」を文字や言葉にして深く考察することはとても

有意義なことのはずです。

 今後は『相手にとって都合がいいだけのトモダチ』や『ゲームだけのトモダチ』あるいは

『SNSでつなっがただけの顔も知らないトモダチ』など、ある意味とても幅広く便利なことば

である「トモダチ」についても話し合える機会を持ちたいと思っています。

びさいっ子たちの考えが、それまでとは違った「友達とは」に行き着くことになるかも知れま

せん。

 さらに『「友達」に依存しすぎてしまうとどうなるか』など、相手との距離感をイメージし

たテーマについてもびさいっ子たちと考えてみたいと思っています。

 大きなテーマを見据えつつ、視点を少し変えて考えるといった繰り返しは、今回の「友達」

というテーマそのものについてだけでなく、多くの保護者様のご要望でもある、人との関り方の

問題点の解消、考察力・思考力・コミュニケーション能力の向上にも役立つと考えています。


2023.01.25

 1.14(土)のSSTです。

 今年初めのSST、箸の持ち方と食品をつまむ際の角度などについて考えました。

 本日のびさいっ子は4人です。4人のうちのひとりは持ち方に大きな崩れはないようで

す。でも、3人の子たちは、修正が必要のようです。

 まずは、一本づつ・・・ということで、親指と人差し指で持つ方からです。

親指を立ててしまう子、親指と人差し指の第2関節あたりで持つ格好になる子に分かれる

ようです。これらについて実際に箸をもってもらいながら伝えています。

そしてもう一本、これは動かさないイメージで、と説明しながら持ち方を伝えました。

 さらに、おもちゃのお豆をつまんでお皿に入れてみるということをやって終了です。

 みんな、格好よく箸が使えるようになりました。今日覚えたこの持ち方を今後も思い出

しながら完全に習得してくれるといいのですが・・・。


2022.12.13(火)

 2022.11.26(土)のSSTです。音ハラスメントについてのつづきです。

 前回11月12日に公園でレクリエーションを楽しんでいる際に気になったことがあったので、

今週もこのテーマで。

 気になったこととは・・・、

①「バトミントン」をしていて、ギャーやキーッなどのいわゆる奇声をあげる。

②「だるまさんが転んだ」をしていて、(自分だけが動いたと)大声で文句を言う。

ということです。(この日のびさいっ子は小5、小6、中1、高1でした)

そこで「一日の生活サイクルは、みんな同じだろうか?

 自分たちの周りで生活している人たちのことを考えよう」を副テーマにしてみました。

自分が寝ている時間に働いている人や起きている人はどんな人か、自分が起きている時に

寝ている人にはどんな事情があるのかを考えてもらう。公園など公共の場で大声や大騒ぎ

(音ハラスメント)をしたら、周りにどんな影響があるか想像し、たとえ広い公園であっ

ても考えて行動してくれるようになってもらえたらというのが目的です。

 この日参加してくれたのは、小6、中1、高1のびさいっ子たちだったので、このテーマ

でも理解度はかなり高いだろうと考えました。

 夜、働いている人には、消防士さんや工事現場で働く人などとこたえてくれたので、

こちらからは、病気の人、心配事があってあまりよく寝られなかった人も近所にいるか

もしれないね、といった例を挙げました。

終盤になって、びさいっ子の一人から、「じゃ、どこで声を出せばいいの?」と質問さ

れました。

この答えは一瞬戸惑いました。「カラオケ!」はすぐ思い浮かんだのですが、公園で遊

んでるときに出したい大声なのに、カラオケ店に着くまで我慢し、かつ有料である方法

を子どもに伝えることに何の意味があるのか!

それで仕方なく、「無いんだよね}と答えました。

でも、あまりに素っ気ないので、あくまで付け加えですが、防音設備が整っている部屋、

カラオケ、お湯の張った浴槽もいいかも知れない、そのほか無人島、山奥など明らかに

ひとに迷惑をかけない場所と言いました。

結局、その場を我慢して、お金がないと利用・移動できない施設・場所しか答えられま

せんでした。

ただ、子どもが楽しく元気に遊んでいる時に発せられる声は、誰も「音ハラスメント」

だとは言わないと思いたいね、と締めくくりました。


2022.10.22(土)のSSTです。

今回のテーマは、周囲を不快にさせる音(音ハラスメント)についてです。

さて、〇〇ハラスメントという言葉は、いつのまにか私たちの社会生活にすっかり浸透したように感じます。そして昨今では、音にもハラスメント(嫌がらせ・いじめ)という言葉がしっかりと結びついているようです。

不用意にあるいは不注意で周囲の人たちに不快な思いをさせてしまう音。しかし毎度、毎度だと確かにハラスメントと言われても仕方ないかも知れません。

まず、ハラスメントについての簡単な説明に続き、‟不快”というのはどんな気持ちかを子供たちと考えました。(講師は前回同様、美彩の指導員です。)

出てきたものをまとめると、ビックリする、うるさい、めいわく、気が散る、やめてほしい、はずかしい、頭が痛くなる、でした。

次に音ハラスメントとなる音にどんなものがあるかを考えてもらいます。

指導員が例として挙げた、突然の大声、独り言、舌打ち、傘で鉄の床などをつつく音、に触発されたのか、びさいっ子たちも考え、発言してくれました。

 1.黒板に爪でキーっ

 2.スピーカからの大音量

 3.お皿にあたるフォークの音

 4.机をトントン叩く音

 5.悪口(暴言)

 6.カバンやランドセルを乱暴に置いたときの音

 7.大きな足音

 8.音を出してのすり足

 9.椅子を引くときの音

と、実にスゴイです。

しかし、人間の身体から出る(出す)音や人が物を介して出す音はまだまだたくさんあるはずです。次回までに考えてきて欲しいとお願いしました。

最後に、音を出してしまった場合にどんな対応をすべきか、また何もしなかったときの周りの反応がどうなのかを想像して時間となりました。

びさいっ子たちは、今回もとても集中して一緒に考え発言してくれていました。(いつの間にか自分の思ったことを人前で自然に発言できるようになってくれたことへの喜びはひとしおです)

次回は、もう少し掘り下げながら反復する予定です。


2022.9.24(土)の風景です。

 今日は、盛沢山の土曜日です。

 まず、10日の中秋の名月にお団子を食

べたことが無いと呟いたびさいっ子のた

めにお団子をみんで作って食べてること

にしました。

 また、SST年間スケジュールに大幅

な遅れがあるので、7月の予定だった「

文章の組み立て」というテーマに立ち返

って、簡単に文章を組み立てる方法を当

所の児童指導員に講師になってもらい説

明をしてもらいました。

 まず、お団子作りから

 1.だんご粉を耳たぶの柔らかさを思

い出しながらこねこね→火にかけ浮いて

きたら5分。

 2.きな粉とお砂糖をまぜまぜ

 3.お醤油とお砂糖と片栗粉をまぜま

ぜして火にかけ、トロミがついて透明に

なったらOK。

みんな、おおいに満足してくれました。

 次は、SSTです。 

 ★びさいっ子たちが比較的苦手な日記

、考えの発表(スピーチ原稿)、作文、

感想文などが 簡単に書けるようになっ

てもらうのが狙いです。

 ★全体を4つのブロックに分けてブロ

ックごとに文章を書き入れ完成させる方

法です。

 ★さらに、テーマは、先に決めずに4

ブロックがすべてできあがってから決め

ると思いが込められたテーマになりやす

いとも付け加えていました。

 ★とにかく、難しく考えないで楽しむ

ことが一番だとも・・・。

 7月にぼく(わたし)の宝物で「おじ

いちゃんにもらった宝物の机」について

文章を組み立てたことをびさいっ子たち

は皆、覚えていてくれたので説明しやす

かったようです。

 そして、今日は、いつも参加してくれ

ている高校生になったびさいっ子が大切

にしているというパソコンを題材に文章

を組み立てていました。このパソコン、

実は自作であったこと、4か月間使って

みて不満な箇所がないこと、なんと2時

間で完成したことなどがあぶりだされ、

秀逸(?)な文章ができあがりました。

 今日参加してくれたびさいっ子は小

5、中1、高1だったので、小学校の中学

年くらいのびさいっ子にも理解してもら

えるような話ができるよう今後の課題を

残して終了しました。


2022.9.10(土)の風景です。

 夏休みにダンス教室やヨガ教室を行ったのですが、この時、びさいっ子の中でダンスやヨガが得意で皆の前でインストラクター的な存在となり得る子に相談し、前で一緒にやってもらったところ、他のびさいっ子たちから、僕も何かやりたい、私もやるとうれしい発言が飛び出しました。

 すると、このチャンスを捉えない手はないと、児発管が「びさいっ子レクリエーション企画書」なる書類を作成し、後日、希望する子に説明とともに手渡しました。

 そして、現時点で4枚(3人)の企画書が完成しました。1枚は下書きの状態ですが、担当びさいっ子の創意工夫が楽しみです。

 びさいっ子の企画は、みんなで楽しくできるゲーム、パソコンを使ってのゲームプログラミング、料理教室、そしてペンダントやクレーンの工作と多岐にわたっています。

 本日は予定を変更して、今年高校生になったびさいっ子が企画してくれた「パソコンでのプログラミング教室」を開催しました。

 これを企画してくれたびさいっ子は、企画書通り教材や重要部分のフリップも用意してくれました。また、当所のPCの能力、参加してくれるびさいっ子の理解力などを考慮してプログラミング内容を決めたそうです。いや~参りました。実に立派ですね。

 教えてもらっていたびさいっ子たちは、開始から一時間もしないうちにキャラクターを回転させたり、スピードも自在に操っていました。

 そばにいた私たちまで、もうプログラマーになったような気分に・・・。

☆びさいっ子たちの成長に感激・感謝です!!!


2022.7.11

7月9日(土)のSSTです。

 テーマはナフキンでの包み方です。

 最初は風呂敷を使って分かりやすく解説。

 包もうとするものとナフキンの位置関係、結ぶ箇所、結び方、ほどき方について考えてもらいながら進めていきました。

初めのうちははつまらなそうにしていたびさいっ子。でも、すぐに集中して考え始め、最後にはためになった、ちょうどお弁当箱の包み方が分からなかったから良かったと。

さらに、きつい結び目をほどくときの一工夫は、みんな目を見開いて大いに納得してくれていました。


2022.6.29①

6月25日(土)の様子です。

 ・まずはSST、 上手な断り方、あいさつスキルの復習でした。

 前々回から上手な断り方を3つ位考えておいて欲しいとお願いしていましたが、またもやみんな忙しかったようで・・・。

 ただ、さすがはびさいっ子! ある子が、嘘をつくのが嫌なんだ、と教えてくれました・・・

そうか、私たちはびさいっ子たちに嘘を強要していたのか・・・いやいや、そうではありません・・誰も傷つくことなく上手に断ることは、とても難しいこと・・・ここで使う誰も傷つけない嘘は、今までの人間関係を壊すことなく、これまで通り継続していくための方法の一つであり、知恵なんだよ、と伝えました。

 そもそも、このテーマは、お友だちに(しつこく)遊ぼうと言われ、特にゲームの誘いを断れずに困っているびさいっ子が意外に多かったことで、取り上げているものです。子供たちのゲーム熱は今後一層拡大上昇するでしょうから、今のうちからトラブルを防ぐ術を知っておいて欲しいのです。

 と、言うわけでびさいっ子たちは、あらためて納得してくれたようです。

「留守番しなきゃいけないんだ」、「学校の行事の用意があるんだ」、「歯医者さんに行くから遊べないんだ」、「今日はダメなんだけど、今度一緒に遊ぼう」と次々に出てきました。前々回までの「学校の課題がある」、「テスト勉強をする」、「ママと洋服を買いに行く予定がある」、「魚をさばく」、「塾がある」と合わせると、もう、大丈夫そうですね?!。

一応、「弟(妹)の面倒をみる」と「家族で出かける」という理由を提案して終了しました。

 挨拶については、みんな自然体で、適切な言葉・声の大きさで完璧でした。上手な断り方とともに、これで一旦終了とし、折を見て振り返りたいと思います。

2022.6.29②

・さて、今日は、座間市にある公園へ行くことにしました。そこでテントを張り、ハンモックを設え、キャンプ気分を味わってもらおえたらとワクワクしながらの計画です。

 と、その前に、キャンプ気分を盛り上げようと、また、いざという時のために、メスティンでご飯を炊いてみようかと・・・まず、水の量や火にかける時間、蒸らす時間の説明をしました。食べようとする1時間位前から準備しなくてはならず、ついでと言っては何ですが、普段のお母さんの苦労について少し触れることができました。さらに土鍋で炊いたご飯とどっちが美味しいかを比べてもらおうと、この日は私たちのテンションもMAXです。

 びさいっ子たちは、水の量を確認したあと、「固形燃料が大きすぎるんじゃ?」、「固形燃料の火が強くて、ご飯が焦げちゃうんじゃない?」、「ぶつぶつ吹き出てきたぁ!」、「固形燃料は15分位でなくなるんだね!」、など大盛り上がりです。

 わずかな時間差で、土鍋から少し焦げたいい香りがしてきたので火を止めて、こちらも蒸らせば美味しいご飯の出来がり・・・。

 さて、結果は・・・メスティンも土鍋も共に、ご飯は少しやわらかめの仕上がりでしたが、びさいっ子たちは、「ご飯があまい」、「あまくて美味しい×2」 とたくさん食べてくれました。充実感に包まれたひと時、やりがいとは、まさにこれですね~♪♪♪

 あっ、土鍋とメスティン・・・僅差で土鍋の勝利!!!(笑)


そんな楽しい昼食を済ませた後は・・・、いざ公園へ!

 ハンモックが取り合いになるかと少し不安でしたが、ごく自然に交代交代で楽しんでくれました。

 びさいっ子たちは、この公園でもバトミントン、サッカーのパスっぽいボール蹴りなどでたくさんの笑顔をみせてくれました。

 それにしても子供たち、この暑さのなかでも元気です💛・・・お疲れさまでした。


2022.6.21

6月11日(土)の様子です。

 ・まずはSSTから、

 仲間への入り方・上手な断り方、あいさつスキル・蝶々結びの復習でした。

 今回は初めて参加してくれるびさいっ子が2人いたので、簡単な説明のあと早速シュミレ

ーションしてみました。前回、みんなに上手な断り方を3つ位考えておいて欲しいとお願い

したので、楽しみだったのですが、どうやらみんな忙しかったようで・・・。

 それでも、「学校の課題がある」、「テスト勉強をする」、「ママと洋服を買いに行くよ

てがある」、「魚をさばく」、「塾がある」と発言してくれました。

 次回こそ3つ程考えてきて欲しいとお願いして終了しました。

 あいさつは全員が朝・昼・晩と声の大きさに注意しながら上手にできました。

 ほどけにくい蝶々結びも含めて、練習用のロープでは完璧なようです。(初めて参加して

くれた子は自信がないやできないと言いながらもちゃんとできていました。)

 最後に次回こそ、上手な断り方について3つ考えてきて欲しいとお願いしました。

 ・そして午後からは曇り空の中、恒例になりつつある公園へ

 鬼ごっこ、バトミントン、サッカーのパスっぽいボール蹴りでたくさんの笑顔をみせてく

れました。最後は小田急線に手を振って「ハイ、チーズ!」


2022年5月30日

 5月21日のSSTです。

 仲間への入り方・上手な断り方。蝶々結びの復習でした。

 仲間への入り方では、入る側、迎える側でそれぞれ注意すべきことについて伝えました。

 上手な断り方・・・大人でも上手に断るのは難しい場面が多くあるものです。相手を傷つけずに断るにはどんな断り方が良いのか。断るポイントについて例を挙げながら伝えました。その後全員に状況に応じた断り方を実践してみてもらいました。最後に上手な断り理由を3つくらい用意しておくと良いのではとまとめ

ると、皆、「そうだね。わかった!」と納得してくれたようです。次回、皆が考えたくれた断り理由を発表しあえたらと思います。

 結果・反応

  明日、一緒に遊ばない?という誘いに対して、

  ・「学校の課題をがあるから」と答えてくれた。

  ・「お母さんと買い物に行く予定があるから」と上手に断れた。

  ・例で挙げた断り方を棒読みしてしまうびさいっ子も。

  ・「多分、〇〇に行くかもしれないから、わからないんだ」と曖昧ながらも考えてくれた。

  ・発言はできなかったが、よく考えている様子のびさいい子がいた。

 蝶々結びは、簡単な結び方のおさらいをしました。


4月16日(土)のSSTです。

 その場に応じた挨拶スキルの習得を目的に行いました。

 朝・昼・夜のパネルに合わせての挨拶。入り口で、隣同士などでの適切な声の大きさ、

声のトーンも考えながら一人ひとりにやってみてもらいました。

全員で挨拶を返すことによって、気持ちの良い挨拶を実感してもらえたらと試みました。

 ちょうちょう結びと同様今後も継続していければと思います。

 そして、午後からは公園で楽しく外遊び・・・驚くほどバドミントンが上手になった子がいました。


公園デビュー!!

 4月の第1土曜日は、美彩始まって以来、初の公園デビューを果たしました。

(ちょうちょう結びと挨拶のおさらいを早々にすませて近くの公園へ!)

 そもそも何故急に公園デビューかといいますと、いつも土曜日を利用してくれているびさいっ子た

ちが、その週の初めあたりからお花見したいな、お花見ランチしたいねなどの可愛い訴えをぶつけて

きてくれて・・・。それならばと保護者様のご意向を確認させていただき、とうとう公園デビューに

踏み切るにいたりました。

 私ども指導員は皆、公園でお弁当をひろげることや運動が好きなので、外遊びについては何度か議

題に上ってはいたのですが、一度決めた方針を変えることに二の足を踏んでいました。

でも、瞼に焼き付いた子供たちの走り回る姿、キラキラした表情と満開の桜は、そのことを後悔させ

てくれました。

 びさいっ子たちはおにごっこを中心に、持ち寄ったシャボン玉やバトミントン、フリスビーなどで

大いに楽しんでいました。

 びさいっ子との約束は、

 ・ブランコなどの遊具は一人占めしないこと。

 ・周囲で遊ぶ子や自転車にぶつかったりしないように常に気をつけること。

 ・行き帰りは、指導員の傍を歩き、車や自転車などに気をつけること。

でした。みんな、この約束をきちんと守ってくれました。

 帰りの会では、反省点のないことにびさいっ子たちも大喜びでした。

 今後も保護者様のご理解とご協力に感謝しながら、事故や怪我に十分留意して、より楽しい土曜日

にしていければと考えております。

追伸:一緒に走り回った指導員は、月曜日になっても筋肉痛を訴えていました。(笑)

                                    指導員一同


3月5日(土)のSSTです。この日のテーマは、「待っている人への声掛け」と「ほどけに

くい、ちょうちょう結び(おさらい)」でした。

5人のびさいっ子に対してのSSTです。

小学4年生・・・2人、5年生、6年生、中学3年生・・・各1人

お友達と待ち合わせしていることを想定(最初に指導員が寸劇をやりイメージしてもらいま

した)。

①待ち合わせ時間ちょうどに着いたけど相手が先に来ていた。

②5分遅刻した。

③15分遅刻した。

時計を動かし、見せながら①から③について考えてもらいました。そして、みんなの考えを

ホワイトボードに書きだしました。その後、「ごめん、お待たせ」などの相手を気遣える便

利な「魔法の言葉」があり、組み合わせを考えて使うことを伝えました。

そして、実際にお友達同士でシュミレーションしてもらいました。手話での「お待たせしま

した」についても覚えました。

結果

イメージできると言葉がポンポンと出てきました。相手を気遣える言葉が言えたら素敵だね

、と言うと「そっか~」や「分った~」などと元気に反応してくれて、深く考えてくれてい

るようでした。

・お友達同士では恥ずかしくてできなかった・・・1人、きっと本番では使い分けも含めて

上手く気遣えると感じます。

・初めは声掛けはしないと話してくれた子・・・1人、「待たせてごめんね~」と上手に言

えました。

・シュミレーションは出来なかった子・・・1人、手話で「お待たせしました」にチャレン

ジしてくれました。

・「お待たせしました」「時間を潰してごめんね」「先に来てたんだ、ごめんね」「待たせ

て、ごめん」・・・2人。

次回、軽く反復したいと思います。

ちょうちょう結び・・・一応全員できているようです。続けている成果と信じる一方、今後

も振り返りが必要かとも思います。とにかく、おさらいは重要ですね。

2022.03.07


2月5日(土)のSSTです。この日のテーマは、「ほどけにくい、ちょうちょう結び」でした。

4人のびさいっ子に対してのSSTです。

小学4年生、5年生、6年生・・・各1人,、 中学3年生・・・1人

ホワイトボードにロープをテープで止めての説明です。説明後一人づつやってみて、できたことを確認し合いながら、今度はテーブル上に用意した細いひもでやってもらいました。みんな太いロープの方がやりやすいようでした。何度か細いひもと太いロープを行ったり来たりのびさいっ子もいました。40分後みんな自信を持ってできるようになったと言ってくれました。

ちょうちょう結び、難しいですよね!再来週おさらいをしたいと思います。


1月15日(土)のSSTです。この日のテーマは、「訪問時のマナー(玄関編)」でした。

急遽2人の子がお休みになってしまい、4人のびさいっ子に対してのSSTです。

小学1年生、4年生、6年生・・・各1人,、 中学2年生・・・1人

作ったフリップは次の通りです。

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1.あいさつをする。(相手(あいて)におへそを向(む)けて)

<こんにちは、おじゃまします>など

2.上がりかまちで、靴(くつ)をぬいであがる。<はだしはダメ!>

<相手に背中(せなか)を向けない>

3.スリッパをすすめられたら、それを履く。

4.靴をドアにつま先(さき)をむけて揃(そろ)える。

<相手にお尻(おしり)を向けない>

<しゃがんで靴を玄関下座(げんかんしもざ)(※)につま先をドアに向けて。>

※下駄箱(げたばこ)の上に何かおいてあれば下座は下駄箱から反対の位置。

何も置いていなければ下駄箱の近くが下座。

5.帰(かえ)るとき

<靴を履きやすい位置に・・・相手にお尻を向けない>

<靴を履くとき、出来るだけ相手に背中を向けないようにする>

6.あいさつをする。(相手におへそを向けて)

<おじゃましました>など

-------------------------------------------------------

お友達のお家にいったことを想定しました。

初めはこのフリップを見せずに、床、シート、カラーボックスを玄関に見立てて、びさいっ子に

「なんて挨拶したらいいかな」、「靴はどうやって脱いだらいいだろう」など一人ひとりに質問をしながら進めました。

ところで、小学生の子はみんな上座、下座を知りませんでした。上座には目上の人、つまり、みんなから見て、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、両親・・・・あと、総理大臣もかな、と伝えると

「へ~」と歓声が。

びさいっ子たちは、今日も最後まで真剣に聞き入ってくれました。

帰りの会で、今日のSSTについて再度確認した時、「ためになった~」という返事に気を良くした私はレストランやエレベータの中の上座、下座の説明もしてしまいました。

今回は、魔法の言葉を特定できませんでしたが、満足のゆく結果を得ることができたと思えます。


SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)

2021年12月18日(土)は、7人のびさいっ子が来てくれました。

 小4が3人、小5が2人、小6が1人、中3が1人というメンバーでした。

 今日のテーマは、「授業中に分からない事があった。どうする?」というものでした。

 どうするか考えがまとまった子から少し離れた場所にいる指導員に小さい声でその考えを話してもらいます。

 7人の内2人は、イメージできなかったのか、分からないと答えました。

 さて、今回の狙いは、魔法の言葉は何なのか、そしてもう一つ。それは、人の話の腰を折らない、ということです。


期待した回答は、


①授業が終わったら、先生のところに行って、

「先生、ちょっといいですか!」・・・・・・・・・<魔法の言葉>

と言って、先生の注意を自分に向ける。

そして、先生が自分を見てくれたら、あるいは、「はい、どうしましたか?」などと聞いてくれたら、

「分からないところがあります。教えて下さい。」


②授業が終わって、仲の良いお友達が暇そうなら、その子のところに行って、

「ちょっといい!」・・・・・・・・・<魔法の言葉>

と言って、その子の注意を自分に向ける。

その子が自分を見てくれたら、あるいは、「な~に?」などと聞いてくれたら、「分からな

いところがあるんだけど、教えてくれない?」というものでした。


もちろん、分らないままにする、というのも想定内ですが、・・・。

 さて、結果は、

 1.先生に、「わからない」と、その場で言う。

 2.先生や近くのお友達にすぐに聞いて、すぐやる。

 3.我慢する。それでも分からなかったら友達に聞く。

 4.授業が終わったら先生に聞きに行く。(6年生)

 5.自由学習中に巡回している先生をつかまえて教えてもらう。(中学3年生)

というものでした。

 びさいっ子たちの特に小学生の多くが、自分がわからないことは、その場で知りたい・消化してしまいたい、という思いが強ようです。

教壇に立つ先生方のご苦労がしのばれます。


1~3と答えてくれたびさいっ子には、わからないところに印をつけたり、簡単なメモをとって、後で誰かに聞きましょうと伝えました。

それは、今の分からないところに気持ちが集中してしまうと、先生の話は、そこまでしか聞くことができず、そこから先は、聞てない=知らない、つまり分からないことが増えていってしまうかも知れない。

また、先生の話の腰を折ってしまうことになったり、あなたに聞かれたお友達は、それから先の先生の話が聞けなくなり

迷惑します。と、付け加えました。

 近い将来、スチエーションを変えて何度か繰り返す必要がありそうです。その中で魔法の言葉も伝えたいものです。


SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)と魔法の言葉

 SST・・・美彩では、日頃からびさいっ子たちに挨拶の仕方、「ありがとう」や「ごめんなさい」、「いただきます」、「ごちそうさま」などの言葉・仕草の習慣づけ、上手な頼み方・断り方、また、上手な自分の要求の伝え方などをその都度繰り返し伝えています。

さらに、たまにですが、それらの重要性についてみんなに深く考えてもらう工夫をしています。

 それでも、特に小学校の上級生になってくると、スキルの不足を感じさせる子が多いことに気づかされます。


 美彩は、びさいっ子たちが日常生活の中で起きる様々な出来事に対して、今まで以上に上手く対応できるようになって欲しい、そんな思いからSSTという時間を設けて楽しくスキルの習得ができるよう取り組みの強化を始めました。(土曜日開所の大きな理由のひとつです)

 魔法の言葉・・・子供たちのスキル不足はどうして起こるのか。その理由は子供一人一人で違うのでしょうが、どんな内容だったかをなかなか思い出せない、内容が心に突き刺さらない、ということも大きな理由の一つではないかと思われます。実際、覚えていないというびさいっ子に話の内容を説明し始めると、「あ~っ、その事ね。覚えてるよ~」という子は意外に多く見受けられます。さて、どうしたらいいものか。


 こころに突き刺さり忘れない内容を完成させるためには、構成・伝え方・話し方など直接的なものに加え、来所してくれた子供たちの心を落ち着かせ、聞く・考える体制、雰囲気作り(間接的)なども重要です。

ここでいう間接的なことについては、話が脱線するので何かの折にということにします。

 伝え方・話し方に替わるか分かりませんが、そして、できるだけとお断りも必要ですが、

テーマに沿ったキーワードを掲げる。短く、覚えやすく、時にインパクトのあるキーワード

は、子どもたちが強く記憶する、あるいは記憶をたどる際のきっかけになるのではないか。

そんな期待と願いを込めて、最適なキーワードを見つけていければと思います。そしてその

キーワードを「魔法の言葉」と呼び、今後は、この「魔法の言葉」を視野に入れつつ構成を

考えていくことにします。

 さらに、ゆくゆくは「魔法の言葉」のリストができればなぁと、今からワクワクしています。


 2021年12月4日(土)は、2名が欠席で、4人のびさいっ子が来てくれました。

 小4が2人、小6が1人、中3が1人というメンバーでした。

 今日のテーマは、「となりに並んでいたお友達が突然しゃがみ込んでしまったとき、どうするか」、というものです。

びさいっ子に、学校の朝の会でとなりのお友達がしゃがみ込んでしまった。さてどうする?

と聞きました。

そして、どうするか考えがまとまった子は手を挙げて下さいと。手を挙げてくれた子から、

少し離れた場所にいる指導員に小さい声でその考えを話してもらいます。

他の子に聞こえないようにしたのは、人の考えを真似させないないようにするためです。

 さて、結果は、

1.体調が悪いか聞いてみる。・・・1人

2.具合が悪いかもしれないので先生を呼ぶ・・・1人

3.「立ちな」と言う・・・1人

4.「立って」と言う・・・1人

特に3と4を答えた子たちに対して、こんな時は【だいじょうぶ?】という「魔法の言葉」を使おう!と伝えました。もし、しゃがみ込んだ子が具合が悪いとしたら「立って」は気の毒だよね、と付け加えると、少なくても一人の子は「うん」と言って納得してくれたようです。

 今回のテーマは、参加してくれたびさいっ子から、道に倒れている人にも?などとイメージを膨らませた質問が飛び出てくるほど状況が理解しやすいものだったこともあってか、少なくても支援している私たちにとても大きな充実感を与えてくれました。

 このテーマをすべてのびさいっ子に投げかけ、そしてこの「魔法の言葉」・【だいじょうぶ?】を伝えたくてうずうずしています。

余談:過去に電話のかけ方、あいさつの大切さ・仕方をテーマにびさいっ子と一緒に考えた土曜日があったのですが、「魔法の言葉」に据える言葉が選べなかったこともあってか、何か物足りなさを感じています。これらのテーマについて構成を練り直し再チャレンジしたいです。


2021年1月26日(火)から、再び上記の内容を子供たちに伝えています。(2019年7月、2020年8月以来)


2021.01.06

アンガーマネジメント!!! ・・・お芝居を取り入れてチャレンジしました。

怒る時のルールは理解出来ても、それを実行するのは容易なことではありません。

怒ってもいいけど、ひとをきずつけない・じぶんをきずつけない・ものをこわさない

と言われれば、確かにそうなのですが・・・。

この上手に怒れるようになるには、誰もがそれを意識し続け、いわゆる訓練を重ねることが必要なのでしょう。

これをびさいっ子たちに、理解・実行してもらうにはどうしたら良いのか。

また、びさいっ子に限らず、子供には集中が持続する時間的な制約もあるので、これも考慮の必要があります。

それでも、大人でさえ、時として上手に怒れず失敗したり、中には人生を棒にふる人が少なからずいる現実に、何もしないわけにはいかない。そんな気持ちを児童指導員たちと話し合い、ワークシートなど(※)を活用した実践など、試行錯誤しながらアンガーマネジメントと向き合ってきました。

今回は、理解がしやすいのと集中を絶やさない工夫として、本当にあった事柄を題材に、怒りにまかせて行動してしまうと、どんな悲劇を招いてしまうのか、ワークシートでの実践では説明しきれなかった感情のコントロールの重要さを、お芝居を取り入れて伝えることにチャレンジしてみました。

指導員が扮する役に びさいっ子たちひとり一人が自分を重ねて、どんな気持ちだったか、そして、どうしたらこの悲劇を止められたかなどを、上手に怒る工夫、怒りのスイッチをOFFにすることなどと結びつけてびさいっ子たちにアプローチしました、、、びさいっ子たちの考え・感想もご紹介します。

お芝居の題は、「本当にあったバスの中で起きた事件」。

びさいっ子の内訳:小1-1名  小3-5名  小4-1名  小5-1名  小6-1名  高2-1名

発言をしてくれたびさいっ子の人数:5名

かかった時間:約50分

余談ですが、普段は5分もじっとしていられない子たちがおよそ40分程度の時間、誰一人乱れることなく真剣に話やお芝居に集中していました。

びさいっ子たちには、いつものように床に座ってもらっています。

まず、①これから見せるお芝居とその内容についてや人が話しているときにはしゃべらない。

   ②発言したいときは手を挙げ、指名されたら発言する。

   ③勝手に動き回ったり、横になったりしない。

などの注意事項を伝えました。

そして、事件のあらすじを説明しました。あらすじは次の通りです。

------ これはあるバスの中で起きた本当の事件です。

 大勢の人がバスを待っています。やがて、いつもの時間よりかなり遅れてバスがきました。

一列になって並んで待っていた乗客たちは、皆、バスの遅れに不満そうです。それでも、一人ずつ順番に乗り込んでいます。みんなPASMOやSuicaといったカードを使っていますが、一人のおじさんが現金で支払おうとしています。しかも千円札です。そのおじさんはバスの運転手と何やら会話を始めました。

 数秒後そのおじさんの後ろに並んでいた若い男が、もうこれ以上は待てないとプンプンしながら、強引にバスに乗り込んでいきました。そして、前のおじさんを押しのけるように自分のカード使って、サッサと支払いを済ませ、うしろの方の席に座りました。

 千円札で支払いを終えたおじさんは、強引に自分を押しのけていった、あの若い男に馬鹿にされたように思えてなりません。「あいつはどこだ」。

すでに、バスの中は混雑していますが、すぐに、その男を見つけました。

おじさんは、その男のそばまで行き、「痛いじゃないか、どうしてもう少し待てないんだ」、などと文句を言い始めました。

 若い男は始めは驚いた様子でしたが、すぐに表情が険しくなりました。

そして、「おっせーんだよ」や「しょうがないだろ」、 「うるっせー」など、大声でのやり取りが聞こえたかと思うと、若い男はおじさんの顔を何度も殴り、うしろのドアからどこかに消えていきました。

 顔を何度も殴られたおじさんは左の目が見えなくなってしまいました。また、顔の骨が何ヵ所も折れてしまい、そのための手術を2回も受けなければなりません。

 おじさんを殴り、大けがをさせた若い男は、すぐに警察に逮捕されました。

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<子供たちには、感じたままを発言してもらうため、情報はあらすじとお芝居だけとしました。>

お芝居をみてもらった後、次の順序で、びさいっ子たちにたずねました。

(〇:びさいっ子たちの発言・感想)

  1.殴ぐられた人について

     1-1 殴られる前の気持ち

        〇嫌な気持ち

        〇腹がたった(追い越されて))

        〇痛くて嫌だった(押されて)

        〇怒られた気がした

        〇ビックリした

     1-2 殴られた後の気持ち

        〇痛い、謝らないのが悔しい

        〇悲しい(骨折して)

        〇他の乗客が心配してくれてうれしい

  2.殴られた人の家族の気持ち

        〇急に殴られて腹がたった

        〇悲しい気持ち、テレビに出てしまう

        〇家族が殴られて腹がたった

<ここで、もう一度お芝居をみせる-----子供たちの気持ちを整理させるため>

  3. 殴った人について

     3-1 殴る前の気持ち

        〇バスが遅れてイライラした

        〇おじさんに文句を言われて腹がたった

        〇おじさんがわざわざ自分のところに来た

     3-2 殴った後の気持ち

        〇やりすぎた(おじさんは殴っていないのに)

        〇逃げたあと、自分はどうなるんだろうと不安になった

        〇おじさんは殴っていないのに、どうして自分は殴ったんだろう

  4. 殴った人の家族の気持ち

        〇迷惑だ(やりすぎた)

        〇どうして自分の子が暴力をふるってしまったのか

  5. 乗客の気持ち

        〇悲しい

        〇助けなくちゃ

        〇心配 

  6. 運転手の気持ち

        〇バスが出発できない、どうしよう

        〇もっともっと遅れてしまう

        〇乗客に迷惑がかかる

  7. どうしてこの事件は起きたのか

        〇おじさんが若い男に押しのけられたから

        〇バスが来るのが、そもそも遅く皆がイライラしていたから

  8. どうすれば、この事件は起きなかったか

        〇おじさんがもともと両替をしておけば良かった

        〇おじさんが若い男に文句を言いに行かなければ良かった(怒りのスイッチOFF)

        〇若い男はおじさんに文句を言われても我慢すれば良かった(怒りのスイッチOFF)

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予想以上に多くの、また核心をついた意見・感想が出てきました。

私たち指導員は驚き、感心の拍手をしてしまいました。

発言をしてくれたのは半分の5名でしたが、発言が苦手な子やどう言葉にすれば良いのか考えこんでしまう子もいるので決して少なくはないと捉えています。

ただ、開始から50分ほどの時間になると、びさいっ子たちに疲れが表れてきました。怒りのスイッチを体のどこかに付けてこれをON/OFFするといったことを想像してみることや、怒りがこみ上げてきたら、目をつむってゆっくり1から10まで数えてみるといった自分へのルール作り、また上手に怒るためにはどんな工夫が考えられるかなど、びさいっ子たちが感じた気持ちと結びつけることができなかったので、アンガーマネジメントとしてアプローチができず残念でした。

しかし、何よりも、50分前後の長い時間、みんなが集中して聞いて、見て、考えていてくれたことには大いに感心でき、意義があると思えました。お芝居が、視覚からの情報として理解度を上げ、興味の持続に効果をもたらしたのは確かなようです。

これからもびさいっ子たちに怒りの感情について考え、対処法に気づく機会を提供できればと強く思っています。

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※:今までのワークシートなどを使った実践

1.感情カード・・・嬉しい、楽しい、満足、残念、はずかしい、うらやましい、悲しいなどのカードを引き、そのカードに書かれた最近の経験を発表し合い、特に“怒り”の手強さや原動力としての特性を知るなど。

2.バルーンパペット・・・怒りの顔を描いた風船を利用し、空気(怒り)の量によって破裂してしまう、あるいは空気(怒り)をゆっくり抜くことで怒りを鎮めるためにかかる時間や呼吸などを視覚的に伝えるなど。

3.怒ったときの身体の変化について、人の絵に描き加え表現し、自分や他人をより深く知るなど。

4.落ち着くテクニック・・・自分の胸をトントンと叩いてみる、数字を数える、落ち着く言葉をとなえる、深呼吸するなど自分に合った自分を落ち着かせる方法を探るなど。

5.怒りの温度計・・・怒りが爆発するまでにどんな態度をとるかを発表し合い、他人のことも深く知る機会を得るなど。

6.怒りのスイッチ・・・体にスイッチを付けて、これをON/OFFしたときの気持ちの変化を想像し、自分の気持ちの変化を感じるなど。

7.怒りを伝える工夫を発表し合うことで自分や他人を知るなど。

8.m&mゲーム・・・出てきたチョコレートの色に対する事を発表し合い、自分や他人を知るなど。

         例)赤:嫌だなあと思うことはどんなこと?

           緑:怒ったときによく言ってしまう言葉はなに?など