療育作品例

<新作>

2021年1月、第6作目となる紙芝居が完成しました。

タイトルは。「ことばのいりょく-----バンバン・ドキューン」。

一度口から出てしまうと取り消すことのできない言葉!

時に言葉は、まるで弾丸のように人を傷つけてしまいます。

特に、心無い一言、悪口や悪い言葉の威力をみんなで考えます。


アンガーマネジメント

2021年1月26日(火)から、再び上記の内容を子供たちに伝えています。(2019年7月、2020年8月以来)

アンガーマネジメント!!! ・・・お芝居を取り入れてチャレンジしました。2021.01.06記載

怒る時のルールは理解出来ても、それを実行するのは容易なことではありません。

怒ってもいいけど、ひとをきずつけない・じぶんをきずつけない・ものをこわさない

と言われれば、確かにそうなのですが・・・。

この上手に怒れるようになるには、誰もがそれを意識し続け、いわゆる訓練を重ねることが必要なのでしょう。

これをびさいっ子たちに、理解・実行してもらうにはどうしたら良いのか。

また、びさいっ子に限らず、子供には集中が持続する時間的な制約もあるので、これも考慮の必要があります。

それでも、大人でさえ、時として上手に怒れず失敗したり、中には人生を棒にふる人が少なからずいる現実に、何もしないわけにはいかない。そんな気持ちを児童指導員たちと話し合い、ワークシートなど(※)を活用した実践など、試行錯誤しながらアンガーマネジメントと向き合ってきました。

今回は、理解がしやすいのと集中を絶やさない工夫として、本当にあった事柄を題材に、怒りにまかせて行動してしまうと、どんな悲劇を招いてしまうのか、ワークシートでの実践では説明しきれなかった感情のコントロールの重要さを、お芝居を取り入れて伝えることにチャレンジしてみました。

指導員が扮する役に びさいっ子たちひとり一人が自分を重ねて、どんな気持ちだったか、そして、どうしたらこの悲劇を止められたかなどを、上手に怒る工夫、怒りのスイッチをOFFにすることなどと結びつけてびさいっ子たちにアプローチしました、、、びさいっ子たちの考え・感想もご紹介します。

お芝居の題は、「本当にあったバスの中で起きた事件」。

びさいっ子の内訳:小1-1名  小3-5名  小4-1名  小5-1名  小6-1名  高2-1名

発言をしてくれたびさいっ子の人数:5名

かかった時間:約50分

余談ですが、普段は5分もじっとしていられない子たちがおよそ40分程度の時間、誰一人乱れることなく真剣に話やお芝居に集中していました。

びさいっ子たちには、いつものように床に座ってもらっています。

まず、①これから見せるお芝居とその内容についてや人が話しているときにはしゃべらない。

   ②発言したいときは手を挙げ、指名されたら発言する。

   ③勝手に動き回ったり、横になったりしない。

などの注意事項を伝えました。

そして、事件のあらすじを説明しました。あらすじは次の通りです。

------ これはあるバスの中で起きた本当の事件です。

 大勢の人がバスを待っています。やがて、いつもの時間よりかなり遅れてバスがきました。

一列になって並んで待っていた乗客たちは、皆、バスの遅れに不満そうです。それでも、一人ずつ順番に乗り込んでいます。みんなPASMOやSuicaといったカードを使っていますが、一人のおじさんが現金で支払おうとしています。しかも千円札です。そのおじさんはバスの運転手と何やら会話を始めました。

 数秒後そのおじさんの後ろに並んでいた若い男が、もうこれ以上は待てないとプンプンしながら、強引にバスに乗り込んでいきました。そして、前のおじさんを押しのけるように自分のカード使って、サッサと支払いを済ませ、うしろの方の席に座りました。

 千円札で支払いを終えたおじさんは、強引に自分を押しのけていった、あの若い男に馬鹿にされたように思えてなりません。「あいつはどこだ」。

すでに、バスの中は混雑していますが、すぐに、その男を見つけました。

おじさんは、その男のそばまで行き、「痛いじゃないか、どうしてもう少し待てないんだ」、などと文句を言い始めました。

 若い男は始めは驚いた様子でしたが、すぐに表情が険しくなりました。

そして、「おっせーんだよ」や「しょうがないだろ」、 「うるっせー」など、大声でのやり取りが聞こえたかと思うと、若い男はおじさんの顔を何度も殴り、うしろのドアからどこかに消えていきました。

 顔を何度も殴られたおじさんは左の目が見えなくなってしまいました。また、顔の骨が何ヵ所も折れてしまい、そのための手術を2回も受けなければなりません。

 おじさんを殴り、大けがをさせた若い男は、すぐに警察に逮捕されました。

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<子供たちには、感じたままを発言してもらうため、情報はあらすじとお芝居だけとしました。>

お芝居をみてもらった後、次の順序で、びさいっ子たちにたずねました。

(〇:びさいっ子たちの発言・感想)

  1.殴ぐられた人について

     1-1 殴られる前の気持ち

        〇嫌な気持ち

        〇腹がたった(追い越されて))

        〇痛くて嫌だった(押されて)

        〇怒られた気がした

        〇ビックリした

     1-2 殴られた後の気持ち

        〇痛い、謝らないのが悔しい

        〇悲しい(骨折して)

        〇他の乗客が心配してくれてうれしい

  2.殴られた人の家族の気持ち

        〇急に殴られて腹がたった

        〇悲しい気持ち、テレビに出てしまう

        〇家族が殴られて腹がたった

<ここで、もう一度お芝居をみせる-----子供たちの気持ちを整理させるため>

  3. 殴った人について

     3-1 殴る前の気持ち

        〇バスが遅れてイライラした

        〇おじさんに文句を言われて腹がたった

        〇おじさんがわざわざ自分のところに来た

     3-2 殴った後の気持ち

        〇やりすぎた(おじさんは殴っていないのに)

        〇逃げたあと、自分はどうなるんだろうと不安になった

        〇おじさんは殴っていないのに、どうして自分は殴ったんだろう

  4. 殴った人の家族の気持ち

        〇迷惑だ(やりすぎた)

        〇どうして自分の子が暴力をふるってしまったのか

  5. 乗客の気持ち

        〇悲しい

        〇助けなくちゃ

        〇心配 

  6. 運転手の気持ち

        〇バスが出発できない、どうしよう

        〇もっともっと遅れてしまう

        〇乗客に迷惑がかかる

  7. どうしてこの事件は起きたのか

        〇おじさんが若い男に押しのけられたから

        〇バスが来るのが、そもそも遅く皆がイライラしていたから

  8. どうすれば、この事件は起きなかったか

        〇おじさんがもともと両替をしておけば良かった

        〇おじさんが若い男に文句を言いに行かなければ良かった(怒りのスイッチOFF)

        〇若い男はおじさんに文句を言われても我慢すれば良かった(怒りのスイッチOFF)

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予想以上に多くの、また核心をついた意見・感想が出てきました。

私たち指導員は驚き、感心の拍手をしてしまいました。

発言をしてくれたのは半分の5名でしたが、発言が苦手な子やどう言葉にすれば良いのか考えこんでしまう子もいるので決して少なくはないと捉えています。

ただ、開始から50分ほどの時間になると、びさいっ子たちに疲れが表れてきました。怒りのスイッチを体のどこかに付けてこれをON/OFFするといったことを想像してみることや、怒りがこみ上げてきたら、目をつむってゆっくり1から10まで数えてみるといった自分へのルール作り、また上手に怒るためにはどんな工夫が考えられるかなど、びさいっ子たちが感じた気持ちと結びつけることができなかったので、アンガーマネジメントとしてアプローチができず残念でした。

しかし、何よりも、50分前後の長い時間、みんなが集中して聞いて、見て、考えていてくれたことには大いに感心でき、意義があると思えました。お芝居が、視覚からの情報として理解度を上げ、興味の持続に効果をもたらしたのは確かなようです。

これからもびさいっ子たちに怒りの感情について考え、対処法に気づく機会を提供できればと強く思っています。

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※:今までのワークシートなどを使った実践

1.感情カード・・・嬉しい、楽しい、満足、残念、はずかしい、うらやましい、悲しいなどのカードを引き、そのカードに書かれた最近の経験を発表し合い、特に“怒り”の手強さや原動力としての特性を知るなど。

2.バルーンパペット・・・怒りの顔を描いた風船を利用し、空気(怒り)の量によって破裂してしまう、あるいは空気(怒り)をゆっくり抜くことで怒りを鎮めるためにかかる時間や呼吸などを視覚的に伝えるなど。

3.怒ったときの身体の変化について、人の絵に描き加え表現し、自分や他人をより深く知るなど。

4.落ち着くテクニック・・・自分の胸をトントンと叩いてみる、数字を数える、落ち着く言葉をとなえる、深呼吸するなど自分に合った自分を落ち着かせる方法を探るなど。

5.怒りの温度計・・・怒りが爆発するまでにどんな態度をとるかを発表し合い、他人のことも深く知る機会を得るなど。

6.怒りのスイッチ・・・体にスイッチを付けて、これをON/OFFしたときの気持ちの変化を想像し、自分の気持ちの変化を感じるなど。

7.怒りを伝える工夫を発表し合うことで自分や他人を知るなど。

8.m&mゲーム・・・出てきたチョコレートの色に対する事を発表し合い、自分や他人を知るなど。

         例)赤:嫌だなあと思うことはどんなこと?

           緑:怒ったときによく言ってしまう言葉はなに?など

療育としての楽しいゲーム

                                    2020年から実施

今年、学校が春休みと夏休みの時にメディアなどからヒントをいただいて、多くのゲームを楽しみました。

楽しんだと言いましても、それらはあくまでも療育としてのものです。コグトレなど表現やコミュニケーション能力の向上を考えての楽しいゲームです。

以下に簡単にご紹介いたしますね!

これらのゲームは、楽しみながら相手の気持ちを察する訓練とコミュニケーション能力を高めることを目標にして行います。

◎かぶらナイス・・・人が思っていることを推測し違う答えを考え出す。

◎ジェスチャーゲーム・・・人が何を伝えたいのか。自分が伝えるとしたら!

◎「あっ」ゲーム・・・人が言った一言と表情を見て、その人が伝えたいことは?自分が伝えるとしたら!

◎しつもんカード・・・自分の事を知る、人のことを知る。

◎この人に言われたいぞ~ゲーム・・・自分の心の声を知る?ことができる。

これらのゲームは、他の考え方もあることの発見。自分の考え方の癖に気づけたら、また、言葉作りが簡単に楽しくできることを学ぶことを目標にして行います。

◎あいうえお作文・・・日記や文章を楽しく作りながら思考力を強化する。

◎しりとりカード・・・しりとりをしながら、楽しく単語をみつける。

◎言葉作りカード・・・言葉や単語をチームに分かれみんなで作る。コミュニケーションをとる。

◎カタカナーシ・・・カタカナを使ってはいけないという制限の中で表現力を身につける。

          当てる側はその答えを想像する。

これらのゲームは、物や人と自分の身体間での力の加減、距離感の認識や集中力を高めることを目的に行います。不器用さの改善にも期待しています。   

◎コグトレ棒・・・体の感覚と動作の結果として、棒の回転や向き、高さなどを視覚で確かめる。この経験を積み上げることでボディイメージの形成を促す。

◎一本線であっち向いてホイ・・・バランス感覚・集中力の向上とチーム戦でやることによってコミュニケーションをとりやすくする。

◎ブロック積み・・・集中力を養う。限界を知る。崩れる前でやめる気持ちの抑制。

◎落ちた落ちた・・・目と耳で落ちたものが何かを想像して受け取る動作をする。

お勉強通帳(魔法の通帳)

お勉強通帳(魔法の通帳)・・・一か月後のご報告です。

2020年11月からスタートさせた、お勉強通帳!予想を超える好効果です。

漢字と音読、同じ算数でもドリルとプリントは、各々書き込んでもいいでしょ、という子供たちからの要望に応え、より多くを記載でき、従ってより早く通帳が満杯になるようにしました。

この仕組みにも助けられ学習を嫌がったり、面倒くさがったりする子が、殆どいなくなりました。恐るべき威力です。

今後も学習意欲が向上・維持できる工夫を子供たちと一緒に考えていければと思います。

通帳の裏表紙に子供たちに記入してもらう目標欄を設けています。いくつかご紹介しますね!

・難しい勉強をがんばる。

・漢字を全問ミスなしにする

・べんきょうを15~30分ぐらいでやる

・ともだちとなかよくする

・しずかにやる・ふてくされない

・わからないかんじをべんきょうする

・ひとにやさしくする

・かんじと九九とりか・しゃかいをがんばりたいです

・勉強を速くおわらせる

びさいでは、日頃からびさいっ子達に『勉強は誰のためにするもの?』と問いかけをしています。勉強をして沢山の知識や教養を身に付けたとき、それらに助けられるのは他の誰でもなく自分自身ですよね!そして頭の中の知識・教養は、お金や物とは違い、簡単に消えてなくなってしまう事はないし、誰かに盗まれたり、壊されたりすることもありません。自分だけの一生の財産となります。

そんなメッセージも込めて今回2020年11月から、お勉強通帳を発行することにしました。びさいで学習した事(学校の宿題や家庭のドリル等)を通帳に記していきます。いつ知識や教養を引き出しても残高が減ることのない魔法の通帳となります。国語や算数など、その日に学習した分が全て記帳されていく仕組みです。一冊の通帳が満杯になったときの達成感が、お勉強が嫌いなびさいっ子を一人でも減らせることにつながったら良いなぁと願っています!!

昨年の11月に始めたお勉強通帳ですが、4月に入り新しい学期がスタートしたので、勉強した記録がたくさん貯まった証にメッセージカードをプレゼントしました。一人ひとりの好きなキャラクターを折り紙で作り、メッセージを添えています。子ども達が達成感と共にお勉強へのやる気が益々、上がることを期待しています。

2021.4.20


手作り紙芝居

びさいでは、オリジナルの紙芝居を作成しています。ストーリーも絵も一から全て指導員が考えています。耳(聴覚)と目(視覚)の両方から情報が入り、皆で共感が出来る紙芝居は、びさいっ子達にもとても人気です。下級生~上級生までどの学年の子も集中して真剣に耳を傾けてくれます。お話が終わった後で、びさいっ子達にどのように感じたか尋ねると沢山の感想が飛んできて、こちらが思っているよりも、もっともっと色々なことを考えて聞いてくれているのだと嬉しくなります。現在出来上がっている紙芝居は6作です。

送迎時の車の乗り方やルールを説明したもの、びさいでも毎年行っている避難訓練に関連した作品が2作。また、療育の観点から、4作目の『ゆかいないたずら』は口先だけのごめんなさいではなく、心から相手に謝る・許すとは?というメッセージを込めたもの、そして5作目の『ふかんの習得』!! 自分と自分の周囲にいる人を客観的に見る目を養ってほしいという思いを込めた作品です。そして第6作目となる『ことばのいりょく-----バンバン・ドキューン』では心無い一言、悪口や悪い言葉の威力をみんなで考えます。今後も子ども達にわかりやすく、色々な事をより強く考える心を養ってもらえたらと願っています。