★びさいっ子と関わる中で感じ実践していること★

<その子の根本にあるモヤモヤを見つける> 

 いきなりですが喜怒哀楽という感情については、たぶんすべてのびさいっ子が何となくは理解していると感じます。(ここでの理解とは、感情と言葉がおおまかでも合致しているということです)

でも、それ以外の感情・・(たとえば羨ましい・嫉妬(独占欲なども)・妬み・嫉み・憎しみ)などはどうでしょうか。

 たとえば嫉妬というのはどういう感情なのか? 自分が今強く感じている感情を言葉にできない子が大勢いるのは想像に難くないと思います。表現力の乏しさ、そもそも言葉を知らないこともあるでしょう。自分が解らない感情はモヤモヤを招きます。そのモヤモヤが態度に現れるとしたらどんなものでしょう。

 このモヤモヤ、日常の中なら泣く、わめく、物にあたるような行為、パンチ、キック、体当たり、ジャンプ、とび回るなどで表されるかも知れません。

 美彩では、その子にもよりますが、低学年の子の場合には、どうしてそうしたくなってしまったのかを本人と一緒に考えて、答えを見つけ出し、それがたとえば嫉妬に近い感情なら、「嫉妬しちゃったんだね、と感情と言葉を結び付けて、そして心配ないよ、〇〇さんのことは大好きで忘れるはずないからなど、いつかまた、そう感じたときに抱くモヤモヤが少しでも小さくなるよう伝えます。また、学年を考慮するなら、力、声や音の大きさに対して周囲の人がどんなふうに感じてしまうかを端的に付け加えたりもします。

 美彩は、その子を襲う多くのモヤモヤに対し、泣いたりモノや人に当たるなどの必要はないことを丁寧に伝え続けます。

 

 <学習していて抱くモヤモヤについて>

 もし、出題された文章に対して、読解でない(算数などで何を求められているのか、国語なら登場人物の気持ちが理解できないなど)、いくつかの言葉の意味や言い回しがわからない、そもそも漢字が読めない。そんなとき感じるイライラ。それは、投げやりになる、自分を責める、誰かのせいにしたくなる、そして、やる気をなくす。またはいつかどこかで爆発させることになるでしょう。

 ところで、学習面において未来の社会で重要なことを照らし合わせたとき、未来社会で必要そうなことを考え、それらに重点をおいて勉強するという工夫も大切かも知れません。必要そうでないことは勉強しなくてよいということではなく、例えば計算そのものは将来AIなどの高度な人口知能がやってくれるかもしれません、現在でも電卓を活用すれば、速く正確に計算できます。私たちの未来で重要なのは正確に計算の答えを出すことよりも答えの導き方のほうにより重きが置かれるのではないかということです。小学1年生が最初にぶつかる算数の壁、引き算なの?足し算なの?や2年生以上になると掛け算なの?割り算なの?のあれらの出題です。どうして足し算なのか、どうして割り算なのか。また、たとえば瓶の容積より少ない分はあまりとして回答しなさい、という出題にどこまでも割り算してしまう子。こういった場合の答えの導き方について、その子に合った伝え方はとても難しいものです。

 話を戻します。美彩では、保護者様のご意向に従って、宿題で、例えば算数の計算方法や漢字の読み書き、音読などで傍についてサポートをすることが多々あります。でも重要なことは、その子の根本にあるものを見つけ出し、それを本人と一緒に謎解きすることであると考えています。(もちろん、これも保護者様のご意向に沿ったことでなければなりませんが)

 美彩は、その子が学習や勉強が嫌いにならないように楽しく、ときには褒めて・煽てて、また紙芝居やことわざ、他の人が実践した勉強法、勉強や学習は誰のためにするの?自分のためだよね!(本来、勉強や学習は人のためにするですが、びさいっ子にはあえて自分のため、と伝えています)などを折に触れて伝えながら、その子の今に合った伝え方を工夫しています。また、どの指導員と一緒にやるのが今のその子にとって最適なのか、傍に付く指導員も自他から選ばれつつ支援をしています。

 その子の根本にあるモヤモヤを一緒に解いていくこと。それが私たちが大切に思い実践していることなのです。

 <忘れ物・・・まず自分を理解して、周りの人に助けてもらう>  

  学校、びさいの送迎車の中、あるいは学童にと、忘れ物をしてしまう子がいます。

 当たり前ですが、美彩の指導員たちは忘れ物をしても怒ったりはしません。それは「にんげんだもの」というほかに、もしかしたら、その子の特性の一つである場合があるからです。

 しかし、本人が忘れ物に気がついたときに、「あー、また忘れちゃった、気を付けてたんだけどな~」などと周囲に反省の態度を示したり、もし誰かがその忘れ物を届けてくれたときには「ありがとう」と感謝し言葉にできる子(人)になってほしいものです。そして忘れちゃう自分を理解し、開き直ったり卑下することなく、周囲に理解を得られるような人になるといいですね。きっと、そういう人は周囲の人たちに助けられ楽しい毎日をおくれるでしょう。

 美彩は常にその子の少し成長した姿を想像しながら、今、必要なことを丁寧に何度も伝え続けることが大切とし実践しています。

 将来、こうした支援が、結果として「優しさ、思いやり、誠実さ、知識、正直さなどが備わった誰からも愛される人になった」ことにすこしでも貢献できたのだとしたら、私たちは心から幸せです。

 美彩はびさいっ子に「人に必要とされる人」になってほしいと願い支援し続けます。

<人生は、自分を理解してくれる人を探す旅>

 「自分の気持ちをわかってくれている」と思える誰かの存在は、自分を肯定するための大きな支えやエネルギーとなる、と言われています。

 小学校の卒業と同時に美彩を卒業した2人の元びさいっ子が、先日それぞれ遊びに来てくれました。卒業した小学校、中学校は違いますが、たまたま2人とも同じ学年で現在高校1年生の男子です。

 二人とも、背が伸びてとても格好よく、顔つきも精悍になり、道ですれ違っても判らないと思えるほど変わっていました。

 一人目の子は、2時間ばかりの間、後輩である小学生や中学生の子らを優しい眼差しで見つめたり、私たちと談笑したりしていました。そして、帰り間際に「バイトをさせてくれませんか?」といってきたのです。彼は美彩に通ってくれてたとき、年下の子があまり好きではなかったと記憶しています。そのことを本人に確認しました。すると「今はすごくかわいいです。なんであのときそう思えなかったのか」と首を傾けていました。それを聞いた私たちはとても嬉しく思い彼の成長を喜びました。そして、ほとんど間髪を入れずバイトしたいと、言ってきてくれたのでますます嬉しさがこみ上げました。しかし学校があるので夕方からが良い、とのことで断らざるを得ませんでした。(ガクッ)

 二人目の子は、東京上野付近にある高校に通っている子で、土曜日に時間を作ってわざわざ近況を伝えに来てくれました。郊外で活動する部活をこの日は外して来てくれたそうです。

 近くの公園で後輩たちと一緒に軽い運動もしてくれたのでみんな大喜びでした。思い返すと保護者様とは、小学生だった彼のことで、彼が寝てからメールのやり取りを沢山しました。その子が今も真っすぐ歩んでいる、うれしい限りです。

 私は、この二人の卒業生が美彩を振り返るとき、「自分の気持ちをわかってくれていた」と感じていたんだと確信しています。そうでなければ、6年も経って私たちに会いたいなんて思うはずがないからです。(一応、今度会えた時に確認せねばと思っていますが。)

 将来、もし一緒に働くことができたり、何かで協力しあえたらどんなに幸せでしょう!

 私たちは、びさいっ子たちを理解しようとする気持ちをこれからも強く持って、びさいっ子たちの支え、エネルギーになれたらと思います。

療育支援 放課後等デイサービス 美彩‐びさい‐小田急相模原

放課後等デイサービス 美彩 小田急相模原は、発達障がいのある児童のための放課後等デイサービスです。小田急相模原駅より徒歩3分!