SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)と魔法の言葉

 SST・・・美彩では、日頃からびさいっ子たちに挨拶の仕方、「ありがとう」や「ごめん

なさい」、「いただきます」、「ごちそうさま」などの言葉・仕草の習慣づけ、上手な頼み

方・断り方、また、上手な自分の要求の伝え方などをその都度繰り返し伝えています。

さらに、たまにですが、それらの重要性についてみんなに深く考えてもらう工夫をしていま

す。

 それでも、特に小学校の上級生になってくると、スキルの不足を感じさせる子が多いこと

に気づかされます。

 美彩は、びさいっ子たちが日常生活の中で起きる様々な出来事に対して、今まで以上に上

手く対応できるようになって欲しい、そんな思いからSSTという時間を設けて楽しくスキル

の習得ができるよう取り組みの強化を始めました。(土曜日開所の大きな理由のひとつです)

 魔法の言葉・・・子供たちのスキル不足はどうして起こるのか。その理由は子供一人一人

で違うのでしょうが、どんな内容だったかをなかなか思い出せない、内容が心に突き刺さら

ない、ということも大きな理由の一つではないかと思われます。実際、覚えていないという

びさいっ子に話の内容を説明し始めると、「あ~っ、その事ね。覚えてるよ~」という子は

意外に多く見受けられます。さて、どうしたらいいものか。

 こころに突き刺さり忘れない内容を完成させるためには、構成・伝え方・話し方など直接

的なものに加え、来所してくれた子供たちの心を落ち着かせ、聞く・考える体制、雰囲気作

り(間接的)なども重要です。

ここでいう間接的なことについては、話が脱線するので何かの折にということにします。

 伝え方・話し方に替わるか分かりませんが、そして、できるだけとお断りも必要ですが、

テーマに沿ったキーワードを掲げる。短く、覚えやすく、時にインパクトのあるキーワード

は、子どもたちが強く記憶する、あるいは記憶をたどる際のきっかけになるのではないか。

そんな期待と願いを込めて、最適なキーワードを見つけていければと思います。そしてその

キーワードを「魔法の言葉」と呼び、今後は、この「魔法の言葉」を視野に入れつつ構成を

考えていくことにします。

 さらに、ゆくゆくは「魔法の言葉」のリストができればなぁと、今からワクワクしていま

す。

 12月4日(土)は、2名が欠席で、4人のびさいっ子が来てくれました。

 小4が2人、小6が1人、中3が1人というメンバーでした。

 今日のテーマは、

  「となりに並んでいたお友達が突然しゃがみ込んでしまったとき、どうするか」、とい

うものです。

びさいっ子に、学校の朝の会でとなりのお友達がしゃがみ込んでしまった。さてどうする?

と聞きました。

そして、どうするか考えがまとまった子は手を挙げて下さいと。手を挙げてくれた子から、

少し離れた場所にいる指導員に小さい声でその考えを話してもらいます。

他の子に聞こえないようにしたのは、人の考えを真似させないないようにするためです。

 さて、結果は、

1.体調が悪いか聞いてみる。・・・1人

2.具合が悪いかもしれないので先生を呼ぶ・・・1人

3.「立ちな」と言う・・・1人

4.「立って」と言う・・・1人

特に3と4を答えた子たちに対して、こんな時は【だいじょうぶ?】という「魔法の言葉」を使

おう!と伝えました。もし、しゃがみ込んだ子が具合が悪いとしたら「立って」は気の毒だよ

ね、と付け加えると、少なくても一人の子は「うん」と言って納得してくれたようです。

 今回のテーマは、参加してくれたびさいっ子から、道に倒れている人にも?などとイメージ

を膨らませた質問が飛び出てくるほど状況が理解しやすいものだったこともあってか、少なく

ても支援している私たちにとても大きな充実感を与えてくれました。

 このテーマをすべてのびさいっ子に投げかけ、そしてこの「魔法の言葉」・【だいじょうぶ

?】を伝えたくてうずうずしています。

余談:過去に電話のかけ方、あいさつの大切さ・仕方をテーマにびさいっ子と一緒に考えた土

曜日があったのですが、「魔法の言葉」に据える言葉が選べなかったこともあってか、何か物

足りなさを感じています。これらのテーマについて構成を練り直し再チャレンジしたいです。

療育支援 放課後等デイサービス 美彩‐びさい‐小田急相模原

放課後等デイサービス 美彩 小田急相模原は、発達障がいのある児童のための放課後等デイサービスです。小田急相模原駅より徒歩3分!